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   猫と暮らす・・・心



〜〜猫とホリスティックに暮らす〜〜

■はじめに

ホリスティックに暮らす、とはどういうことでしょう。
近年のペットブームで、動物の飼育方法等の情報はかなり浸透してきました。
情報普及に伴って、飼い主の意識も少しづつではありますが、変わってきたといえます。
動物を単なるペットではなく、伴侶動物と捉え、家族の一員として考えるようになってきたのです。

飼育管理も科学的なデータを基に、変革しつつあります。栄養価を表す数字と共に多種多様なものが出てきたペットフードはその最たるものですが、ペットフードについては様々な混入物や添加物、化学物質の面からも近頃色々と問題化されていることが多い様です。

そんな中で、ホリスティックという言葉が見直されています。ギリシャ語の「ホロス」から生まれ、英語のWhole(全体)を意味する言葉です。
つまり、生命体を単なる物質的な身体として捉えるのではなく、「心も魂も備わった全体」として見るアプローチを言います。医学で言うと、個々の症状に限定されず身体の全体像を見る東洋医学にも通じます。

ペットとの生活で、私たちは多くの喜びを手にすることが出来ます。彼等のために、よりよいライフスタイルを提供することが幸せを与えることに結びつくのです。
さて、ペットと「心」は繋がっているのでしょうか? 答えはYES、です。

■猫の人気

ストレスの多い現代社会では、動物と共に暮らしたいと願う人が増え、猫はコンパニオンアニマルとして受け入れられています。狭い住居空間でも単独生活でき、特別な訓練も必要ないため、まさに理想的なパートナーとして猫の果たす役割は増大しています。アメリカでは犬をしのいでもっとも人気のあるペットになりつつあります。
(1998年の調査で、米国における犬の飼育頭数は5700万頭、猫は6200万頭にのぼった)

働く人の増加と、猫の独立心や本来の魅力が重なってか、日本でも人気沸騰に拍車がかかっているようです。
猫は比較的安く手にはいるうえ、さほど飼育費用もかかりません。飼い主が仕事中は一人にしておけるし、それほど世話を焼かなくても済み、清潔で自立心があります。吠えついたり、人や車を追いかけることもなく、愛情に答えてもくれるのですから、人気もうなずけます。
■猫の心理

一昔前まで猫を飼うとは、定期的に食事を与えることだけですんでいました。
しかし現在は猫の飼育も大きく変化しています。まず、「室内飼い」です。
その分密着度が高くなるわけですが、猫の性格や習性を理解せず、身勝手に接している人もいます。

例えば人間同士間に愛情の満足が得られず、「おきかえ」として可愛がる人や、ぬいぐるみのように飼育する人、飼育と称して体罰を与える人などです。猫にはそれがストレスとなり、問題行動や異常行動が出現します。健康状態の悪化にもつながります。

猫はデリケートでストレスに弱い動物です。人間には一見なんでもないようなことでも、非常に大きな問題となり、想像以上に心と体に影響を及ぼすことがあるのです。
■精神の不安は問題を呼ぶ

喪失感など、心を乱される変化が起こると、猫に健康上や行動上の問題が発現することがあります。
緊張、不安、憂鬱、怒りなどの感情や精神的な混乱が繰り返し起こることも同様です。
 
・喪失感・・・例:新しいペットや赤ちゃんがやってきた。住居が変わりなわばりを失った。引っ越し先に苦手な動物がいた。家族が亡くなったり家を出て、家族構成が変わった。飼い主が構わなくなった(構えなくなった)。飼い主が長期にいなくなった。等。

問題が起きたとき、動物の立場から家庭内の変化した状態を「見る」様に努めて下さい。
状態を緩和しようとする際には、 人間に対するのと同じように常識を働かせ愛情を持って接してあげて下さい。
一緒にいる時間を作るだけでよい場合もあるでしょう。

また、この種の問題は、善意の飼い主によって意図せず強化されることがあります。忙しい飼い主のもと、孤独を感じている猫がいて、ある日猫が咳をし始めると、驚いた飼い主は猫のもとに急行し、愛撫して慰めの言葉を囁きました。するとこの猫は咳をすれば飼い主の愛情が得られると思うようになる、というものです。ハーバード・タンザーという獣医は「あなたのペットは病気ではないーあなたにそう思って欲しいだけだ」という本を書いています。甘やかすのではなく、もっと本当に大切にする方法が必要だということです。
■飼い主の感情を吸収する

殆どの猫は、餌や庇護や安全や愛情を求めて飼い主と強く結びついています。こうした結びつきの結果、自分とは関係ない問題で緊張を経験したり、また、家族が発する怒りや悲しみ、恐れの感情を吸収していることがあります。

よくあるのが、猫が病気や怪我をした時に飼い主が狼狽することです。愛する友人を失うのではないかとさえ思うこともあります。猫はこの不安を感知します。飼い主の不安定な状態は、不安を増大させ、ストレスから治癒力を弱めることにもつながるのです。

出来るだけリラックスして、自信を持って平静でいることです。そして、医療についての判断を急いで行わず、獣医と協力しながらその治療に功を奏するだけの充分な機会を与えてあげて下さい。
一番大切なのは、猫の持つ治癒力を信じることかもしれません。
■猫と人間の近さ

外見上は明らかに違いますが、猫と人間には共通点があります。互いに太陽から3番目の惑星に住み、哺乳動物であるということを始めとして、なわばり意識と攻撃性、支配と恐れ、不安と脅迫行動などは、すべて非常に人間的な衝動であり、情動であるといえます。
生物学的にも近い部分があり、同じ構造をした脳を持ち、脳中枢の内容も、神経伝達物質も似ているそうです。大脳皮質のしわの数は人間の方が多いけれど、末梢神経系や自律神経系、内分泌系も非常に似ているというのは驚きです。

このようなことからみれば、猫もまた私達と同じ様な心理的な問題に悩まされていると考えても、それほど不思議ではないでしょう。飼い主達は、猫にも感情や知性がある、と聞いても別段驚きはしません。
それはすでに猫との暮らしの中で直感的にそのことを感じているからでしょう。

                                                   (文・岡原清美)

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