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   アニマルセラピー

アメリカの心理学者ボリス・レビンソンは、著書に「動物との触れ合いが精神的な健康を取り戻させる療養所のような役割をする。」と書いており、レビンソン以降、医学者、精神分析医、心理学者など医療のエキスパートが臨床結果として証明したアニマル・アシステッド・セラピーの報告は後を絶ちません。

また、動物学者のブルース・フォーグルは、深層心理の部分からコンパニオン・アニマル効果についてこう説明しています。
「英語で、人間に飼われている動物を<ペット>と呼ぶが、この言葉には2つの意味があって、ひとつは<家で飼っている動物>、もうひとつが<ストローク(なでる、さする)>。歴史的に見ても、人がストロークできることもペットの重要な役割の一つにあげられる。」「ではなぜひとがペットをなでるかというと、ペットが子供の代用品として捉えられ、子供の代わりとして世話をし、面倒を見る、と考えられてきたから。
しかし表面的には子供の代わりのようで、実は潜在的にはもっと複雑で、隠れた意識のどこかの部分でペットは私達の<母親>なのである。」
例えば、母親から授乳を受けるときの触れ合いには重要な意味があり、子供は胸に置いた手から伝わるぬくもりや感触を通して、愛情や信頼感などを享受しています。母親としてのぬくもりや安心感を、ペットは我々に与えてくれているということでしょう。

動物に触れると、脈拍数や血圧が安定するなどのリラックス効果があり、また痴呆やある種の精神障害にも回復への大きな後押しとなり、コミニケーションの扉を開くきっかけになるといわれています。
1980年には医学者エリカ・フリードマンの研究で、心筋梗塞の発作1年後、動物を飼っている患者の延命率が、飼わない患者の3倍も高かったという報告がされました。
これらの効果を応用したのが、前出のアニマル・アシステッド・セラピーです。
一口にアニマルセラピーと言っていますが、次の二つに分けられ、定義されています。

              <アニマル・アシステッド・アクビティ>
                (動物介在活動=AAA)

対象者の身体的、精神的生活の質を向上させるための動機付け、教育やレクリエーションのための機会を提供することを目的として実施される。ボランティア活動として行われることが多い。

              <アニマル・アシステッド・セラピー>
                (動物介在療法=AAT)

人の医療及び動物医療の専門家の協力によって実施、指導される医療行為。対象者の回復等、治療においての目標が設定される。専門知識が不可欠になる。
アニマルセラピーの利点
  生理的利点
        ・病気の回復、適応、病気との闘い
        ・リラックス、血圧やコレステロールの低下
        ・神経筋肉組織のリハビリ(特に乗馬療法において)
  心理的利点
        ・元気付け、動機増加、活動性、感覚刺激
        ・リラックス、くつろぎ作用
        ・自尊心、責任感などの肯定的感情、心理的自立
        ・達成感(特に乗馬において)
        ・ユーモア、遊びを提供
        ・親密感情、受容
        ・感情表出(言語的、非言語的)、カタルシス作用
        ・子供においての教育的効果
        ・注意持続時間の延長、反応までの時間短縮
        ・回想作用、境遇との重ね合わせ
  社会的利点
        ・社会的相互作用(触媒効果、潤滑油)
        ・言語活性化作用
        ・集団のまとまり、協力
        ・身体的、経済的な独立促進(盲導犬など)    
 アニマルセラピーの分類 
施設型 在宅型
訪問型 1、施設訪問型 3、在宅訪問型
飼育型 2、施設飼育型 4、在宅飼育型

                      5、野外活動型
                      6、他の治療の補助として 

1:ボランティア達が動物を連れて施設を訪れる
2:老人ホームや小児病院、刑務所、精神科病棟などで動物を飼う
3:一人暮らしのお年寄りのところにボランティアやソーシャルワーカーが動物を連れて訪れる、等
4:一般家庭でペットといっている状態
5:乗馬療法やイルカ療法など、施設や自宅で飼えない動物と触れ合う
6:心理療法などにおけるひとつの道具として動物に登場してもらう


現在、日本でも社会活動であるCAPP活動(コンパニオン・アニマル・パートナーシップ・プログラム=人と動物の触れ合い活動)が行われ、獣医師とボランティアが協力し、老人ホームや児童福祉施設、精神神経科病棟などを動物と共に訪問しています。
例えば老人ホームや教育施設への訪問活動であれば、「老人福祉」や「教育問題」と「動物愛護」を同時に考える非常によい機会でもあるといえるでしょう。

(文・岡原清美)


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